マシュマロテスト 意識と無意識の二つの自己についてめぐる
マシュマロテストというものがあって、小さい時にマシュマロを我慢できた子は、
将来成功するという話。
で、早川書房から出た「マシュマロ・テスト」についても、副題が「成功する子・しない子」とあるからてっきり上記のマシュマロ我慢した子は将来成功するということを書いたものだと思ったら、ちがった。
ガチな心理学書だった。
原題には「Mastering Self-Control」とあって、自制心の科学についての書。
心理学には「意識/無意識」ということが広く知られているけど、それを現代的にさらに詳細にしたのがカーネンマンの「ファスト/スロー」だったり、
この本でいう「ホット/クール」なシステムだ。
この二つのシステムは絡み合っていて、必ずしも意識/クール/スローな認知システムだけが大事じゃなくて、無意識/ホット/ファストな情動システムも重要だ。
わたしてきには、それぞれの状況で優位になるシステムに対して、逆張りがすることが重要かと思う。
ニュースや人の感情や様々な状況で、瞬時な自動的なホット=ファストシステムが優位になるが、そーゆうときは、前頭葉を働かせ、冷静に熟考してクール=スローシステムを働かせて判断する。
カーネンマンは「ファスト/スロー」の言い換えとして「記憶する自己/経験する自己」という対応を提案していて、「子育てのパラドックス」で言う、子育ての日々は辛いが、記憶する自己によって、喜びに満ちた思い出/記憶/物語になる。
しかし、一方でわたしは頭で自分語りするだけではなくバーチャルになってり、言葉の不安が自己増殖する。
「身体の声」、今現在生きてる、存在を持続的に味わう、経験する自己、ホットでファスト、無意識のシステムを機にすることは、実際に慢性的なストレス、疲労しているかどうか、メンタルに役に立つ。
わたしの身体こそ、わたしが生きていることに全てもれなく気づいて、反応している。この意識はどうしてもその中の一部だけ、抽象化していると言えないこともないが。
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